夏の日。朝の光に抱かれ、歴史ある石畳や石壁が黄金色に輝くロクロナンの村はあなたのもの。飾りの彫られた天窓のあるエレガントな家が広場を囲み、広場近辺の通りにも素敵な建物が連なっています。昔ながらの景観の保全のため、車の通行は禁止。伝統的なデザインの看板が、そこが店であることを教えてくれています。パン屋さんでは本物のクイニーアマンをどうぞ。ブルターニュを代表する伝統の焼菓子です。
毎年開催されるトロメニー Troménieの祭りは、聖ロナンsaint Ronanを祀るパルドン祭です。聖ロナンが瞑想しながら歩いたと言われる道を辿り、練り歩きが行われます。特に大変な賑わいを見せるのが6年に1度、7月に開催されるグランド・トロメニー Grande Troménie。多くの旗がなびく中、青とゴールドの伝統衣装に身を包んだ人々の行列が進んでいきます。次回の開催は2019年。
昔ながらの不変の美しさを保つロクロナンは、宗教行事以外でも人気の的です。ロマン・ポランスキーRoman Polanski監督の『テス(Tess)』、フィリップ・ド・ブロカPhilippe de Broca監督の『ソフィー・マルソーの 愛、革命に生きて(Chouans)』、ジャン=ピエール・ジュネJean-Pierre Jeunet監督の『ロング・エンゲージメント(Un long dimanche de fiançailles)』など数々の名作がロクロナンで撮影されました。監督たちはもちろん観客も、電線もアンテナも信号もない素晴らしい環境を堪能することができる場所なのです。
